371系特急「あさぎり」に乗る
先日のニュースで、小田急・JR直通列車の「あさぎり」から、JR東海の371系が引退するという報道がありました。
平成の初めまで、「あさぎり」は小田急のロマンスカー3000系を使用し新宿~御殿場間で運転されていました。
平成生まれや最近趣味を始めた人は小田急3000系というと…
こっちを連想するかもしれませんが、昔はロマンスカーの形式でした。
その3000系が老朽化のため、小田急とJR東海がそれぞれ車両を用意し、運転区間を沼津まで延長したうえで1991年3月から相互乗り入れという形で新たに運転を始めました。371系は「あさぎり」用としてJR東海が用意した特急用車両で、1編成しかないまさに“虎の子”です。
団体専用となるとなかなか乗る機会もなくなりそうですし、JR東海の車両ということで都内で見かけることもなくなるでしょう。というわけで、一度乗っておきたいと思い、11月20日に新宿から乗ってみることにしました。
本来であれば、沼津まで行ってみたいところですがJR区間まで乗ってしまうと料金が高くなってしまうので、途中の松田までの乗車です。松田はJRの駅ですが、料金は小田急の新松田までと同じ扱いになっています。料金が安いのでさらにグリーン車を奮発しました。奮発といっても、小田急線内なら松田までのグリーン料金は460円。湘南新宿ラインの休日のグリーン料金よりも安いんですね~。
10時ごろに小田急新宿駅へ到着。改札を入るとちょうど折り返しとなる上りあさぎり2号が入線するところでした。降車が終わるとすぐに車内清掃が行われます。
371系の引退が発表されたためか、ホームでは撮影をする人が目立ちます。
富士山をデザインしたヘッドマークももうすぐ見納めに…。
新宿駅で、50000系VSEと並ぶ。新型のロマンスカーと並んでも、20年前に登場した371系の斬新なデザインは今でも目を引きますね。
撮影をしていると車内清掃も終わっていたので車内へ。指定された席は海側の1人掛け座席。グリーン席の2+1配置はバブル期に登場した車両の特徴でもありますね。
車内放送では、車内販売や車内の自動販売機などはないことを知らせています。371系には車販準備室があり、電子レンジや冷蔵庫まで備えているのに、今は使っていないようです。
定刻10時20分に新宿を発車し、下北沢まではゆっくりと進みます。その先複々線区間ではややスピードを上げて先行列車を追い越し、特急らしい走りも見せてくれました。
リクライニングを倒してくつろいでいると、たまにリクライニングのロックが外れて背もたれが動いてしまうことがありました。座席回転用のペダルをいじると直りましたが、こんなところにも老朽化がでてきているんですね。
今回利用した列車の特急券・グリーン券。
切符には使用する車両が書かれているので良い記念に。小田急20000系の場合は、“RSE”と表示されます。
厚木を出たあたりから田畑の広がるのどかな風景になってきました。撮影に適したポイントも多くなってきて、この列車を撮影する人も多く見られます。
松田駅の連絡線の手前で信号停車。上りのあさぎり4号がやや遅れているようで、停車中にあさぎり4号とすれ違ったころに再び動き出しました。一旦上り線に入り、御殿場線への連絡線をゆっくりと進み、松田駅の1番線に到着しました。
今回はここで下車し、沼津へ向けて発車した371系を見送りました。
やはりこの車両の特徴は、流線形の先頭車と2両組み込まれた2階建て車両ですね。
371系は「あさぎり」としての運用から引退した後、リニューアルされて来年秋から団体専用車両として再デビューするそうです。
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