山手線の103系
山手線では、ウグイス色103系電車運転開始50周年を記念して「みどりの山手線ラッピングトレイン」を1年にわたって運転しており、当ブログでも紹介してきました。
ではその山手線103系の写真はないかなと探してみると、これがほとんどないんですね。首都圏で103系を運用していた路線のうち、山手線は205系の集中投入により早い段階で置き換えが進み、国鉄がJRになって1年後、まだ昭和の時代の1988年6月に最後の編成が引退しています。
それに、私は当時小学生で、今のデジタルカメラと違いフィルムを大切に使っていた時代において、珍しくもない日常の通勤電車を撮影しようという考えなどありませんでした。
そんな山手線103系ですが、わずかに撮影していた写真がこれ。
山手線103系 1987年3月30日 田町駅
「さようなら日本国有鉄道」のヘッドマークをつけた103系です。この2日後にはJRが発足し、先頭のクハ103には「JRマーク」をつけて運転されるわけですが、1年3ヶ月後には撤退することを考えると、JRマークをつけた山手線103系というのは、今思えばレアだったと言えるかもしれません。
さて、山手線から103系が撤退してからさらに2年後、「テックトレイン」というイベント列車で103系が帰ってきました。
103系「テックトレイン」 1990年10月27日 新宿駅
103系「テックトレイン」 1990年10月27日 有楽町駅
当然ながら山手線には103系の配置がなかったため、埼京線と京浜東北線の車両を使っていたそうです。
このときは最新型だった205系も追われる身となり、山手線での103系はすでに2世代前の車両となってしまいました。よく「明治は遠くなりにけり」という俳句をもじって「昭和は遠くなりにけり」という表現を目にすることがありますが、まさに103系の走っていた時代は遠くなりつつあるようです。
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