廃止直前に撮影した蒲原鉄道
昨年3月の北陸新幹線金沢開業により特急街道からすっかりローカル線に様変わりした北越急行は、新幹線の並行在来線廃止によりえちごトキめき鉄道が開業するまでは新潟県で唯一のJR以外の私鉄でした。しかし、かつては新潟県内にも(第三セクターではない)純粋な民営鉄道がありました。その一つが、今回ご紹介する蒲原鉄道です。
蒲原鉄道は、信越本線の加茂と磐越西線の五泉を結ぶ中小私鉄でしたが、1985年に路線の8割を占める加茂~村松間が廃止され、残った村松~五泉間も1999年に廃止となり、蒲原鉄道の鉄道路線は消滅しました。なお、蒲原鉄道という会社自体は、バス会社として現在も存続しています。
私が蒲原鉄道線を訪ねたのは2回。最初は1994年3月。青春18きっぷでの乗りつぶし旅行の途中で立ち寄りました。この時は夕方に1往復しただけであまり印象には残っていません。
2回目の訪問は廃止を1週間後に控えた1999年9月29日。前日夜のムーンライトえちごで新潟入りし、磐越西線で五泉に着きました。蒲原鉄道のホームには列車がいないので、五泉行きの入線シーンから撮影しました。
朝日を浴びてホームに停まるモハ41。
1999年9月29日 五泉駅
この折り返し列車に乗って村松に行くと、2両編成を組んだ車両がいました。
1999年9月29日 村松駅
この2両編成、通常は平日朝の通勤通学輸送で1往復するくらいしか出番がなかったようですが、廃止が近づくと団体輸送などの需要があり撮影に行ったこの日も日中に運転され、めでたく走行シーンを撮影することができました。
モハ71+クハ11
1999年9月29日 今泉~村松
村松駅にあった車両基地では、留置車両を見学させていただけました。
モハ61とED1
モハ61は1950年代に西武鉄道からやってきた車両です。車体塗装は当時の西武鉄道のまま。この塗装は他の車両にも波及し、蒲原鉄道の車両カラーとなっていました。
モハ31とモハ71
この日は地元幼稚園児が車両の写生に来ていました。
1999年9月29日 五泉駅
車両の右側にいる女の子は3歳くらいでしょうか?今頃は二十歳くらいかと思いますが、ここに鉄道が走っていたことは覚えているでしょうか・・・。
1999年9月29日 五泉~今泉
14時ごろ、五泉駅付近のカーブで撮影して撤収しました。
蒲原鉄道の廃線から16年、すでにレールははがされましたが廃線跡はまだ確認できるようです。車両も一部は保存されているそうです。機会があればまた再訪してみたいですね。
| 固定リンク
コメント
どれも古き良きローカル線の雰囲気のある良い写真ですね☆
この頃は鉄熱が少し冷めていてほとんど活動していなくて、数々のローカル線を逃していた事に後から気付きましたよ(なので羨ましいです)…
廃線跡や車両だけでも機会があれば見に行きたいですね。
投稿: オオキ | 2016年1月16日 (土) 18時21分
90年代から2000年代初めにかけて、こんな中小私鉄がどんどん廃止されていったけど、乗っただけであまり印象にない路線も多くてちょっともったいなかったりと思ったりもします。
保存車両も、いつの間にか解体されていたりすることもあるので、訪問はお早めに
投稿: ひで | 2016年1月16日 (土) 23時01分