全長15メートルの「メガライナー」乗車記(2005年7月10日)
東京駅と茨城県のつくば市を結ぶ交通機関として、2005年につくばエクスプレスが開業するまでは高速バス「つくば号」がメインの路線でした。乗客増に対して増便で対応していましたが、2002年より全長15メートルの特別仕様のバスが導入され、「メガライナー」として運行されました。
今回は、2005年に乗車したメガライナーの乗車記です。本文中に記載の時刻や料金などは、すべて2005年当時のもので現在とは異なります。
東京駅とつくばセンターを結ぶ高速バス「つくば号」は早朝から深夜まで、10~20分間隔で運転するドル箱路線だ。その人気ゆえ、乗り切れず次のバスを待つことになることもあるほどだが、その改善策として平成14年に登場したのがこの「メガライナー」。通常のバスは最大の長さが12メートルと法律で定められているが、特認により15メートルのバスが運行されている。
このメガライナーに乗ってつくばまで行ってみた。
東京駅八重洲南口の高速バス乗り場には名古屋、河口湖、房総半島方面など、いろいろな行き先の高速バスが次々と発車している。自動券売機でつくばセンターまでの乗車券を買い、バス乗り場に並ぶ。
発車の10分ぐらい前に乗り場に到着。最初に見た印象はやはり「長い!」。隣に止まっている都営バスがとても小さく見える。乗務員に切符を手渡し、前の人に続いて2階席へ。4番目くらいに並んでいたが2階席の助手席側1番前の座席が空いていたので運良く座ることができた。
12時ちょうどに発車。普通の高速バスなら駅前から正面にのびる八重洲通りを走り、東京駅から500メートルくらいのところにある宝町インターチェンジから首都高速に入る。しかし、宝町インターは入り口が急カーブになっていてメガライナーは曲がることができないため迂回して呉服橋インターから首都高に入った。
メガライナーはこの他にも、その長さゆえの制限事項があり、運行できる道路が特定されている。ということは、事故などで通行止めになった場合、他の道路へ迂回運転をすることができないなど不便なところもあるようだ。車内にはそのことを知らせる案内が掲示されている。
メガライナーは呉服橋インターのETCレーンを通過し、首都高速へ。
日曜で車の流れは順調だ。いつも混雑する箱崎ジャンクションも難なく通過し向島線に入る。
この路線はたまに自分でも運転することがあるが、カーブが多く道路の幅も狭いため、ゆっくり景色を見ることができない。今日は2階席からゆっくりと隅田川の景色をみながらの快適なドライブを楽しめる。たまには高速バスの旅もいいものだ。
これほどの大型バスで、しかも最新型とくればさぞ乗り心地もいいだろうと思うかもしれない。しかし意外とそうではなく、よく揺れるのだ。とくに道路の継ぎ目などでは体も動いてしまうくらいに揺れる。特殊な車両のためなのだろうか。大量に人は運べても、夜行バスには適さないと思う。
小菅ジャンクションから三郷線に、そして三郷から常磐自動車道に入る。
一部の区間では来月開業するつくばエクスプレスの線路と並走する。すでに本格的な試運転が始まっているはずだが、バスの車内からは見ることができなかった。
東京駅から50分、桜土浦インターで高速を降り一般道を走る。
一般道はやや混雑気味でメガライナーも窮屈そうに走る。交差点で曲がるときはぎりぎりまで前に出てからハンドルを切る。信号待ちの車が停止線を越えていたら曲がれないだろう。
途中の停留所で少しずつ乗客を降ろしながら、終点のつくばセンターには13時10分に到着。
つくばセンターで待機中のメガライナー。路面に表示された普通のバスの停止枠を大きくはみ出している。
メガライナーの定員は84名。普通の高速バスは42名だから倍の人を乗せることができるのだ。
走行できる道路が特定されたり、迂回運行ができないなど、制約となることが多いが、今後の活躍範囲の拡大に期待したい。
冒頭に記載の通り、メガライナーは「つくばエクスプレス」開業の影響により、2006年につくば号から引退。その後、夜行バスとして東京~大阪間で運行されていましたが、4台中2台を車両火災で焼失するという事故により2009年には運行を終了しました。
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