「ムーンライトながら」ついに運転終了
2021年1月、東京~大垣間を結ぶ夜行快速列車「ムーンライトながら」の運転終了が発表されました。
かつては全車両自由席の普通列車、通称「大垣夜行」として運転され、165系車両が373系に置き換えられるタイミングで全車指定席の「ムーンライトながら」という列車名が付与されたのは1996年のことでした。
私も平成の初め頃、高校生の頃に初めて165系375M時代の大垣夜行に乗ったことを思い出します。20時過ぎごろ、東京駅で待ち合わせをして当時の友人と夜行日帰りで大阪へ行ったのでした。東京駅から大垣夜行に乗ったのは後にも先にもこの1回限りで、その後何度も大垣夜行を利用していますが、私が利用するのは多客シーズンで臨時9375Mが運転される時期なので、いつも品川始発となっていました。
18きっぷ使用可能期間はいつも混雑するイメージがありましたが、いつだったかの年の1月、平日に利用したら意外にもガラガラで、1ボックス当たり2人ほど、向かいの座席に足を投げ出してゆったりと乗れたこともありました。
ムーンライトながらに変わった後も、はじめのうちはそれほど指定席の入手も困難ではなく、大垣夜行のころと変わらずに利用していました。仕事を始めた以後は青春18きっぷを利用する機会は減りましたが、夏休みの長期休暇で行く旅行ではおつまみと缶チューハイを用意して夜の景色を見ながら飲むという新たな楽しみもできました。
2004年に「愛・地球博(愛知万博)」が開催されたときは、青春18きっぷが使える期間ではありませんでしたが当時お付き合いしていた彼女と一緒にムーンライトながらに乗って、朝イチから万博を楽しんだのもいい思い出です。
2009年からは臨時列車となりましたが、年々運転日数が減らされ、このままフェードアウトするように廃止されるのかなと思っていたところへ昨年のコロナ禍。蜜を避けるために運転されない状況が1年続いていましたが、ついに廃止となってしまいました。
写真は、上り大垣夜行で東京駅に到着し、折り返し静岡行きとして発車する前の165系です。373系の置き換えが迫っている時期で、特別にヘッドマークが付けられています。
「ムーンライトながら」の廃止は鉄道趣味を楽しむものとしてはとても残念なことではありますが、夜行バスや格安航空券・航空会社の充実など、取り巻く環境は変化してきました。また、近年では指定券の転売や1人で2席や4席購入するなど利用者のモラルも問われるような状況において、廃止はやむを得ない判断なのでしょう。
夜行列車で旅立つあのワクワク感は、もう味わうことはできなくなるんでしょうね・・・。
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