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2022年3月20日 (日)

JR・東武直通特急に乗る(2005年4月5日)

2005年3月18日、この日より、JR新宿と東武日光・鬼怒川温泉を結ぶ直通特急が運転を開始しました。かつては日光への観光客輸送でしのぎを削った両者ではありますが、時代は変わって両者の思惑が一致し、それぞれの特急車両が相互に乗り入れるようになりました。今回の記事は、運転開始から2週間余り経った4月5日にこの直通特急に乗ってきた乗車記をご紹介します。ただ乗るだけではつまらないので温泉に入って帰ってくるというプランです。

以下はすべて当時のままの文章です。


4月初めの水曜日、今日は平日だが休暇を取れたので、通勤のサラリーマンを横目に足取りも軽い。横須賀線の湘南新宿ラインを待っていては間に合わないので、品川経由で新宿まで行く。品川には、これから乗る「日光1号」の485系車両が停車していた。品川から出発して回送で始発の新宿に向かうようだ。そういえば、運転開始前の試運転では東武のスペーシアも品川まで来ていた。

これから山手線に乗る身としては、どうせなら品川から乗せてくれればいいのに・・・新幹線からも乗り換えられるし、京急を介した羽田空港からも・・・と思ったが、朝早くではそんな需要はないか。

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成田エクスプレスの後に入線
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新宿駅に入線した「日光1号」JR485系

 

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JRの車両に「東武日光」の行先表示
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JRの切符に印字された「東武日光」「スペーシア」の文字が目新しい。

山手線で先回りし、新宿ではドトールコーヒーでアメリカンコーヒーをテイクアウトしてホームで待つ。3番ホームには成田エクスプレス7号が発車を待っており、日光1号はその発車のあと、入れ替わるようにやってきた。朝のラッシュ時でホームは込み合っており、ドアが開いて指定の席に座るともう発車だ。

車内は東武乗り入れ用に改造されており、シートピッチがとても広く取られている。足を伸ばしてくつろげるが、窓割りと合っていない座席もある。幸いにも、指定された席は窓の間の柱にあたることなく景色を見ることができた。

新宿発車時は、乗客は数えるほど。最後部6号車は数名しか乗っていない。池袋で少し乗ってきたがまだ空席が目立つ。平日の朝、観光地へ向かう特急はこんなものか。湘南新宿ラインのコースをたどって東北本線へ。京浜東北線の車庫である浦和電車区は、朝ラッシュ時のため電車が出払っており、広々とした構内を見渡せる。すれ違う上り列車はどれも満員、優越感に浸れるひと時である。

JR線内最後の停車駅となる大宮には宇都宮行きと同時入線。同じ線路に向かうわけだが、もちろん特急であるこちらが先に発車。東北本線内は結構スピードを出す。沿線にはところどころで桜を見ることができてきれいだが、ちょっと雲行きがあやしいのが気になるところ。

大宮を発車して約20分、東武線との接続駅、栗橋には8時ごろに到着。ここでは新設された接続用の線路に入り、一旦停車。JRの乗務員から東武鉄道の乗務員に交代する。2分ほどの停車でいよいよ東武線に入る。発車後すぐに一時停電。これはJRと東武がそれぞれ供給している電力を分けているために、そのつなぎ目に架線の電気が流れていない区間(デッドセクション)があるためだ。セクションを徐行で通過し、再び電源が入るとまた加速する。

東武線最初の停車駅は栃木。JR両毛線の駅でもあるため、時刻表や停車駅の案内では「(東武)栃木」というように表示されている。ここで停車中に車内放送があり、今日は朝に蒲生駅で発生した人身事故のためにしばらく停車するとのこと。10分遅れで栃木を発車した。

栃木を出るとすれ違う電車も少なくなり、ローカル線の雰囲気がただよう。通過する駅には、古びた木造の駅舎が残っている駅が多く、機会があれば各駅停車で途中下車してみたいと思う。

下今市に停車し、遅れを持ち越したまま終点の東武日光に到着。平日だというのに、駅員や観光協会の職員と思われる人がチラシや土産のせんべいの試食を配っていた。

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栗橋でのデッドセクションで一時停電中
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東武日光駅に到着

さて、このあと一旦改札を出てから入りなおし、上りの普通列車で下今市まで戻る。下今市では、鬼怒川温泉行きの特急に乗り、そこから接続する「AIZUマウントエクスプレス」に乗ることにしている。下今市で特急券を買おうと窓口に行くと、特急は遅れているので、停車中の普通列車に乗ってくださいとのこと。ホームには会津田島行きの普通列車が停車しており、これまた遅れている日光行き特急の接続を受けて発車した。30分ほど遅れているそうだ。

さて、せっかく出かけてきたのに特急で往復するだけではつまらない。そこで、これからの予定は、鬼怒川温泉で「AIZUマウントエクスプレス」に乗り換え、会津高原尾瀬口まで乗車。駅近くの温泉に入ったあと、上り列車で上三依塩原温泉口に行き、そばを食べて、上りの「AIZUマウントエクスプレス」に乗ることにしている。しかし、この遅れている会津田島行きだと、「AIZUマウントエクスプレス」の発車時刻には間に合わない。ちょっと気になったが、鬼怒川温泉では隣の線路に、「AIZUマウントエクスプレス」が停まっていた。おそらくはこのあとにくる浅草からの特急を待っているんだろう。無事に乗り換えることができた。

「AIZUマウントエクスプレス」は2両編成。会津鉄道が所有するディーゼル特急型車両で、野岩鉄道と、短い区間だが東武鉄道にも乗り入れている。この車両は、もともと名古屋鉄道(名鉄)の車両で、JR乗り入れ用の特急車両として登場したが、特急の廃止により、会津鉄道にやってきた。会津鉄道に来ても、土休日には磐越西線の喜多方まで乗り入れるのでJR乗り入れの役割は変わっていない。会津鉄道では全車自由席の快速列車として運転されており、特急料金が要らないのがうれしい。

浅草からの特急の接続を受け、「AIZUマウントエクスプレス」は約25分遅れの10時23分に発車。東武線内はカーブが多く、ゆっくりと走る。車窓からは鬼怒川温泉の旅館街が目に入るが、不景気のあおりか、閉鎖された旅館が目立ってわびしさが漂う。中には廃墟と化した建物もあって、このままでは鬼怒川温泉のイメージが下がってしまうだろうと心配する。

新藤原からは第三セクターの野岩鉄道に乗り入れ。昭和末期に開通した割と新しい路線でスピードも上がる。新藤原発車後は早速車内改札があり、切符を見せると、「遅れてすみません、11時10分ごろに着きます」と教えてくれた。言い回しは少し違ったかもしれないが、とても好感が持てる。

トンネルを抜けるたびに沿線には残雪が多くなっていき、まだまだ春は遠そうだ。会津高原尾瀬口で下車。野岩鉄道と会津鉄道の接続駅だが、車両は直通し、途中駅のよう。降りる人も、自分の他に一人だけだった。この駅は、JR・東武直通特急運転開始のダイヤ改正の日に「会津高原」から駅名を改称している。その前の国鉄会津線時代には、昭和61年まで「会津滝ノ原」駅だった時代もあり、2度目の駅名変更である。

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会津高原尾瀬口に着いた
「AIZUマウントエクスプレス」
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駅付近の民宿で、日帰り温泉利用する
源泉かけ流しが気持ちよい

駅員に切符を渡すときも、「本日は遅れまして申し訳ありません」と、丁寧に話される。遅れの原因に関しては、野岩鉄道や会津鉄道は関係ないのだが、相互乗り入れをしている鉄道全体のことと捕らえ、先ほどの車掌といいお客さんを大切にするという姿勢が伝わってくる。

ここはもう福島県。こじんまりとした駅舎には自動券売機などというものはなく、なんだか遠くに来てしまったような感覚になる。これでも、東京(浅草)への直通電車もある-それどころか、日中はほとんどが浅草行き-のだが、駅の周りは山奥の田舎といった雰囲気だ。

ここでは、あらかじめ調べておいた日帰り入浴のできる民宿「夢の湯」へと向かう。雨が降る中、駅前にかかる橋で川を渡り、突き当たりの国道を左に曲がる。この国道は会津たかつえスキー場に行くときに通った道路だ。交通量は非常に少なく、すぐに目的の民宿に着いた。

玄関を開けるとすぐにフロントがあり、ここで入浴料を支払う。他に客はいないらしく、館内はひっそりとしている。温泉は露天風呂があるもののしばらく中止のようで残念だが、内風呂も窓が大きく外を見ながらのんびりと浸かることができる。ちょうど電車が会津田島に向かって走っていく様子が風呂から見られた。

湯船に出たり入ったりして30分ぐらいのんびり過ごしているとお腹が減ってきた。ちょうどお昼時でもあるが、このあとはそばを食べることにしている。しかし、次の電車まで時間があるし、それまで待てそうにない。そこで、駅前にある「憩いの家」というお土産屋にある食堂で天ぷらうどんを食べる。麺類なら消化が早いし、そばなら多少お腹が減っていなくても食べられるだろう。あったかいうどんは体がとても温まり、温泉に入ってきたばかりなので汗をかいてしまう。

駅に戻って、次は上三依塩原温泉口まで。鬼怒川温泉方面の電車は時刻どおりにやってきた。来たときもそうだったが、なぜか会津高原尾瀬口駅は右側通行。そして二駅目の上三依塩原温泉口で降りる。この駅も会津高原尾瀬口と同じく「上三依塩原」から改称された。塩原温泉というと、那須塩原からバスというイメージがあるが、この駅からバスに乗っても20分くらいで着いてしまう。

さて、この駅で降りたのは、近くにおいしいそば屋があるとのことだったが、事前情報では冬季休業らしい。それでも、なにか他に店はあるだろうと思って降りてみた。しかし、駅前にはそば屋どころか商店すら見えない。人気もないのだ。少し歩いてみたが、雨が降っておりあまり遠くへ行くのも面倒だ。仕方なく次の電車まで駅で待つ。切符を買ってホームで待っていたが、あまりに寒いのでストーブのある待合室で暖をとった。本来の予定では14時29分発の「AIZUマウントエクスプレス」に乗ることにしていたが、1本早い普通列車に乗って帰りの特急の始発である鬼怒川温泉に向かうことにした。

2両編成の列車はこれも浅草行き。時間通りに発車したが、途中の川治温泉で、行き違いとなる下り列車が遅れているため、到着を待つことに。しかし、いくら待っても下り列車はやってこない。長くなるならその先の駅まで進めないかと思うが、結局30分くらい遅れて下りが到着。新藤原では手際よく2両連結して、4両編成で鬼怒川温泉に到着。

この時点で、新宿行き特急「スペーシアきぬがわ6号」の発車時刻は過ぎているが、ホームの反対側で待っていた。この列車は、時刻表ではこのあとに来る「AIZUマウントエクスプレス」と接続することになっているため、その列車が来るのを待っているのかと思ったら、15時22分ごろ、接続をとらずに20分遅れで発車した。乗り入れの都合上、あまりJRに遅れを持ち込めないと判断したのだろうか。当初の予定通りの行動をとっていたら「スペーシアきぬがわ」には乗れなかったところだった。

鬼怒川公園を発車後、次の小佐越で早くも行き違いのため停車。下り列車はJR485系の「きぬがわ5号」だった。その後新高徳でも「スペーシア」2本と行き違い。かなりダイヤが乱れているようだ。下今市からは複線になるので、行き違い停車はなくなるが、先行列車があるのか、あまりスピードが出ない。どこかの駅で普通列車を追い越してから、ようやく特急らしい走りになった。

この列車は、時間帯がいいのか朝の下りに比べて乗車率がよく、早くも定着しつつあるようだ。行きと同様、東武線内は新鹿沼と栃木に停車し、栗橋からJRに入る。車内放送では、栗橋からJRに入りその際一時停電すると話していたのに、いざ停電すると不思議そうに思う声が聞こえてきた。栗橋のJRホームには上りの湘南新宿ラインが停車しており、スペーシアの発車を待っているようだ。JR線内は遅れを取り戻すかのようにスピードを上げ、大宮には15分遅れで到着。しかし池袋の手前でしばらく信号停車し、終点の新宿には22分遅れの17時41分に着いた。

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スペーシアの新宿行き
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新宿駅で埼京線205系と並ぶスペーシア

新宿駅でのスペーシアはまだ違和感を感じる。でも、きっと東京駅での伊豆急「リゾート21」がもう珍しくないように、だんだんと見慣れてくるのだろう。このあとスペーシアはまた鬼怒川温泉へと向かうのだが、遅れているためすでに折り返しの発車時刻は過ぎている。こちらも、20分遅れで発車するそうだ。夕方のラッシュでホームのやりくりも厳しいことだろう。帰りの通勤客の人ごみを避けるように、湘南新宿ラインで家に帰った。


運転開始から17年、JRの車両は485系から253系にかわり、東武100系も後継となるN100系の登場が予定されています。今後の変化が気になる列車ですね。

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